深いむし歯

右に写っているクラウンの隙間がむし歯になっています。

クラウンを外してむし歯を除去したところ。歯肉を電気メスで焼いています。これをレジンで埋めて・・・・

仮歯を入れて経過を診ます。

両隣の歯は残念ですが根管処置が必要でした。根管治療はとても難しいので、できる限り避けたいものです。

太いメタルポストの入った臼歯の感染根管治療(その2)

このケースです。

メチレンブルーで染色して破折の有無を確認しました。近心根にそれらしきラインがあります。ただ、ここはイスムスやフィンのある部位なので診断が難しいのです。撮影して治療をいったん中止して、仮封してラバーダムを外して可能な限りの説明を行います。その結果、患者さんの意思決定は治療の続行でした。
病状や治療方法、予後の予測などを解りやすく説明することはとても重要ですが、その際に何らかの治療に誘導するようだとそれはセールスです。患者利益に誠実であることを常に心がけています。

自由診療のこと

保険を取り扱わない歯科医院とはいったいどんな歯科医院なのかと疑問に思われる方は多いと思います。

日本の歯科保険診療の治療費は世界一安価です。根管治療費はアメリカの十分の一、フィリピンの五分の一です。それにもかかわらず歯科機材の価格はアメリカの倍と言われています。したがって保険診療で経営を安定させるには数多くの患者さんを治療するしかありません。

どの歯科医がどんな治療を行っても歯科医院に支払われる診療報酬は同額です。そういう状況ですから日本の歯科専門誌に保険治療の症例が掲載されることはまずありません。

多くの患者さんは自由診療といえば、インプラント、セラミックの差し歯、金歯などを連想すると思いますが、これらは保険診療の項目にない材料なので自由診療でしかできないというだけのことです。実は全ての治療に自由診療は存在します。歯石を取ることにも自由診療が存在します。歯石を取るという治療は何かを詰めたり被せたりするわけではなく消耗品を使うわけでもないのに自由診療があるのです。これはほぼ純粋な技術料です。自由診療の治療費の中でもっとも多くを占めるのがこの技術料です。

さて、どんな治療にも自由診療があるというのと、それを保健医療機関で行うことができるというのは実は別の話で、保健医療機関では保険診療でもできる例えば歯石除去を、自由診療で行うことは法的に「たぶん」できません。私にはこれが患者利益であるとは思えません。少なくとも選択肢は患者さんにあるべきだと思います。当院は保健医療機関ではありませんからこういった制約は一切受けません。

かといって、保険診療のシステムが崩壊したら歯科難民だらけになってしまいます。ですから当院がシステムを切り替えることができるのは幸い多くの歯科医院が存在しているからです。

多様な価値観が存在し、それを選択するのは患者さんであり同時に歯科医師でもあります。ちょっと変わった歯科医院ですがどうぞよろしくお願いいたします。