根管を見失ってしまうとリカバリーは難しい

強い痛みのある下顎両中切歯。根管は開放されていました。つまり穴の開いた状態です。そもそも根管の開放は悪手なのですが、膿が出ているわけでもないのにそれをやっても全く意味はありません。
下顎の前歯は1根管と思われがちですが、実は2根管のことが少なくありません。それを疑って治療を始めましたが、根管の中に詰まっている食べかすを洗い流すと削られた方向には根管はありませんでした。幸いパーフォレーションまでには至っておらず、本来の根管を見つけてそこを拡大しました。こういったケースではマイクロスコープが威力を発揮します。本来の根管が見えてしまえばあとは簡単です。これが湾曲根管で見えないところにレッジがあるとずっと難易度は高くなります。