コロナウイルスについての当院の考えかた

歯科医院はコロナウイルス感染のリスクがとても高い場所です。と、思っていましたが日本での歯科医院での感染者は解っている数値から計算すると高くはないようです。

当院では複数の患者さんが院内にいるということはありませんし(非常に確率は低いのですが急患の来院ではありました)、予約の間隔も充分にとってあり、その間に換気をしますので、所謂三つの密は避けられます。幸い福島県の感染例は低く抑えられており、四月七日現在、県外からの来院はありません。したがって感染の可能性はある程度は抑制できていると思います。しかしそれでも歯科医院である限り安全な場所だとは全く言えません。当然最も危険なのは我々医療スタッフです。

通院が不安な方はお気軽にその旨お申し付け下さい。来院された全ての方に現時点での当院の考えを説明して治療を継続するか否かの確認をしています。また予約の入っている方にはこちらからお電話を差し上げます。流行が落ち着くまで待つことに歯科的デメリットが無ければ待機するのも良いと思います。

現時点では私自身は日本での致死率を見るとそれほど怖いとは思っていないのですが、国が非常事態宣言を出す以上、全面的に受け入れて全力で協力することに吝かではありません。

受付のカウンターにアルコール消毒剤を置いておきますので、受付の際にお使いください。掌にワンプッシュして乾くまで擦り込んでください。お帰りの際も玄関脇のカウンターに置いてありますのでご自由にどうぞ。

来院ごとにこの表に記入をお願いしております。ご協力お願いいたします。

総義歯(その3)

(その2)はこちら。

配列後。この状態で見た目のチェックを患者さんのご希望を訊きながら行います。仮縫いのようなものです。ピンクの部分はワックス(ロウ、ロウソクのロウです)でできています。溶かして歯を動かすことができます。

口の中に入れてみます。試適(してき)といいます。噛み合わせはどうか? 舌が窮屈では無いか? 前歯の歯並びはどうか? などを患者さんと確認します。特に見た目は個人的な好みなのでご希望をじっくり確認します。唇の動きの中で見ていく必要がありますから世間話なんかしますね。ジャガイモ植えたので腰が痛いそうです(笑)。写真も一応は撮りますがあまり参考にはなりません。かっこよく言えば「動的平衡」を探します。単語の使い方が間違っていますがここでは「動きの中でバランスをとる」というようなニュアンスです。患者さんの希望に沿ってその場で歯を並べ替えます。

さてここまでくれば次はいよいよ完成です。ワックスをレジン(プラスティック)に置き換えます。レジンは固める際に変形する材料ですので慎重な技工操作が求められますが、それでも変形は避けられません。その為、完成後にもう一度咬合器につけなおして咬み合わせを調整する必要があります。技工所に外注で義歯を作ってもらう場合には模型は残らないので、完成義歯が届いた後に咬合器につけなおすための記録を取っておきます。テンチのコアといいます。

義歯、特に総義歯は、口の中で咬んでもらって咬みあわせを調整するというのは殆ど不可能です。軟らかい粘膜の上に乗っているわけですからちょっとしたズレは吸収してしまうのです。それで問題が出なければここまで神経質にやる必要は無いのかも知れませんが、入れた後に調整が必要になる可能性はなるべく排除しておきたいのです。

院内技工(私が作る)場合はもっと正確に咬合器に戻す方法があるのですが、さすがに義歯を自分で作るのは大変なので今はやっていません。

続きます。