クラックのある樋状根の感染根管治療(その2)

次回のアポイント。治療をすることの意思決定があったので、CTの撮影を行いました。大きな病変が確認できます。左上のAxial像で樋状根なのもあらためて確認できます。

樋状根の根管充填はガッタパーチャの側方加圧では緊密に行うことはほぼ無理です。従って再治療のガッタパーチャの除去は顕微鏡下なら比較的容易なことが多いです。顕微鏡がなければほぼ不可能です。

続きます。

クラックのある樋状根の感染根管治療(その1)

CT撮影の前に可能な限り金属を外しておきます。金属はCTにアーチファクトというノイズを乗せるのです。

マイクロスコープ像。青い線で囲んだところがクラック。ヒビです。こういった再治療の画像では何度も書いていますが明らかに削り過ぎです。削れば歯は薄くなり強度は落ちて割れやすくなります。

ここまででこの日の治療を終ます。治療後この画像をお見せして充分な時間を掛けて状況をご説明し、次回の予約までの間によく考えて治療を続行するか抜歯するかを決めて頂きます。クラックの状況から歯内療法自体はおそらく成功すると思われますが、歯根の破折のリスクは消すことはできません。破折線が歯冠の頂上から根尖まで繋がっている場合は治療不能を宣言しますが、このように部分的な破折線についてははっきりした基準は私の中にもありません。

続きます。

根尖の病変

術前

1年後。病変は消えているように見えます。

この度奥の歯の治療のためにCTを撮影しましたが病変は確認できませんでした。